忍者ブログ
社長さーん。 HAIREIがまたなんかやらかしたみたいですよ
[978] [977] [976] [975] [974] [973] [972] [971] [970] [969] [968]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

街中の私的工房(みんか)…
処分場から這い出て、力尽きた廃機‥彼は
何者かに拾われ、そこへ運び込まれた。

「おかえりな…ッ!?」

出迎えたのは…先日、修復を終えたばかりの人型ロボット、
メイコ(彼女がそう名乗った)だった。

「マスター、どうしたんですか、その……」

運び込まれた機体の状態を見て、
口を閉じるのを忘れた彼女に

『メイコ、今夜のリクエストだが‥』
マスターと呼ばれた者は修復ツールの用意をしながら指示を出す。
『テンションの上がる‥アツいのを頼む』

「わかりました」
メイコはPCに接続し、ライブラリを呼び出す。
「…検索」
蓄積された膨大な数の楽譜(ファイル)。
「…選択」
そのなかより、これから歌う曲を選び
「…同期」
自らの媒体(メモリー)へ書き込む。
それらは[ボーカロイド]と呼ばれた彼女達の儀式。

「‥完了」
接続解除後‥PCに伴奏開始を命じ、一呼吸したメイコは
機材と彼を繋げてゆく部屋の中心‥マスターへ向かい

「‥あなたの為に、歌うわ‥」

歌いはじめたとき、冷めた工房(へや)はアツい舞台(はこ)へと変わる。

『さあ、俺達も始めようか?』
マスターはメイコの激唱にあわせ、
蘇生作業に取り掛かる‥しかし

『覚悟してたが‥ここまで物理的損傷(ダメージ)が酷いとは』

作業台に寝かされた機体の胸に手を置き、
彼に刻まれた[コードネーム]で囁いた。

『おまえも祈れよ、カイト』

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ [PR]