社長さーん。
HAIREIがまたなんかやらかしたみたいですよ
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街中の私的工房(みんか)…
処分場から這い出て、力尽きた廃機‥彼は
何者かに拾われ、そこへ運び込まれた。
「おかえりな…ッ!?」
出迎えたのは…先日、修復を終えたばかりの人型ロボット、
メイコ(彼女がそう名乗った)だった。
「マスター、どうしたんですか、その……」
運び込まれた機体の状態を見て、
口を閉じるのを忘れた彼女に
『メイコ、今夜のリクエストだが‥』
マスターと呼ばれた者は修復ツールの用意をしながら指示を出す。
『テンションの上がる‥アツいのを頼む』
「わかりました」
メイコはPCに接続し、ライブラリを呼び出す。
「…検索」
蓄積された膨大な数の楽譜(ファイル)。
「…選択」
そのなかより、これから歌う曲を選び
「…同期」
自らの媒体(メモリー)へ書き込む。
それらは[ボーカロイド]と呼ばれた彼女達の儀式。
「‥完了」
接続解除後‥PCに伴奏開始を命じ、一呼吸したメイコは
機材と彼を繋げてゆく部屋の中心‥マスターへ向かい
「‥あなたの為に、歌うわ‥」
歌いはじめたとき、冷めた工房(へや)はアツい舞台(はこ)へと変わる。
『さあ、俺達も始めようか?』
マスターはメイコの激唱にあわせ、
蘇生作業に取り掛かる‥しかし
『覚悟してたが‥ここまで物理的損傷(ダメージ)が酷いとは』
作業台に寝かされた機体の胸に手を置き、
彼に刻まれた[コードネーム]で囁いた。
『おまえも祈れよ、カイト』
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